究極の予防歯科を目指して
当初は永久歯が生え始める6歳頃からの予防を考えたのですが、6歳の時点で既に乳歯にムシ歯や食習慣に問題がある場合に、その時点から子供の習慣とお母さんなどの保育者の考えや習慣を変えることが難しいことを認識するようになりました。また、既に硬いものが咬めない子供の存在も知ることのなり、6歳の時点でも「もう少し早く」と考えるようになりました。
そして初めて口に入る母乳が大切であることを認識するようになったのです。
母乳育児を調べているうちに国内でもっとも権威があるのが山内逸郎(1923-1993)先生であることを知りました。しかも私の診療所の近所の岡山国立病院(移転前)です。当時は神戸に勤務していたので、岡山に帰った時に母に聞いたところ「山内先生はご近所に住まれていて奥様も良く知っているし、私の姉が出産の時にもお世話になったよ」とのことでした。さっそく母にお願いして山内先生にお会いすることになりました。
お会いしていきなり「歯科医が母乳を大切だと考えるとは珍しいね」と言われました。
「生涯、歯ができるだけ悪くならない健康な口にするにはどうすればよいかを研究していたら、母乳にたどり着きました」とお伝えしたら、
まずは母乳育児を勉強してくださいね。と言われて
「ラレーチェリーグ」と創立前の「日本母乳の会」を紹介していただき、「ラレーチェリーグ」の分厚い本が教科書になり、30代の未婚の男性歯科医が母乳の育児の本を片手に奮闘し始めました。