日本は世界に類をみない長寿国となりました。日本人の平均寿命は男性で80.5歳、女性になると86.83歳(平成26年度の平均寿命)。女性の平均寿命は3年連続で世界一の記録を更新しています。
健康で元気なお年寄りが多い日本ですが、日本人の多くは、年齢を重ねるごとに歯が悪くなっていき、どんどん歯をなくしてしまう傾向にあります。
年齢を重ねるごとに歯が悪くなり、歯を失う傾向にある長寿国日本
変化する口腔内環境
加齢による変化
人間は年齢を重ねるごとに、お口の中の環境が変化していき、ムシ歯や歯周病にかかりやすくなります。若い頃は唾液が多く分泌してお口の中の細菌を一緒に洗い流します。しかし、加齢とともに分泌量が減少して細菌が繁殖しやすくなり、口臭がしたり、歯周病リスクが高くなります。歯ぎしりや食いしばりで歯が磨耗したり、加齢で歯ぐきが下がると、知覚過敏やムシ歯リスクが高くなります。また、歯周病が進行すると歯が動くようになり、歯並びや咬み合わせが悪くなって悪循環に陥ります。
ライフスタイルによる変化
お口の中の変化は加齢だけではありません。バランスの悪い食習慣や不規則な生活、生活の変化などで強いストレスを受けると、免疫力が低下して細菌が繁殖しやすくなります。また、糖分の多い食べ物を好んで食べていると、ムシ歯リスクが高まります。このように、お口の中の環境は、様々な影響を受けて、日々、変化しています。こうした変化をきちんと把握しなければ、適切な診断はできません。お口の中を詳しく調べた結果をもとに、将来を予測することで、歯を長持ちさせる治療ができます。当院では、口腔内の詳細なデータを集めて正確に診断し、10年、20年先の将来を見据えた治療を提供しています。
検査の徹底
患者さんの将来を予測するには、裏付けとなる詳細な情報が必要です。当院では、初診の段階でお口の中を詳しく調べたデータをもとに、将来を予測した診断をいたします。レントゲンや口腔内写真を撮影したり、ムシ歯や歯周病、詰め物・冠の状態、歯の神経の状態、歯並び・咬み合わせ、歯の磨耗や顎関節の状態まで、お口全体の状態を調べます。そして全ての資料をもとに、現在の問題点から将来起きる可能性のある問題を予測して、治療の優先順位を明確にします。今すぐ治療が必要なのか、経過観察ですむのかなど、1本1本の歯に対して必要な処置を見極めながら、ライフステージに合わせた治療を提供いたします。