【原因1】細菌
お口の中は様々な細菌がいますが、ムシ歯と歯周病では、病気を引き起こす細菌とメカニズムが違います。
●ムシ歯
歯に付着している歯垢(細菌の塊)が、食べ物と一緒に入ってきた糖分を分解して酸を発生します。この酸が歯を溶かして穴をあけます。その状態がムシ歯です。
●歯周病
歯と歯ぐきの間に付着している歯垢(細菌の塊)が毒素を出すと、歯ぐきに炎症が起きます。症状が悪化すると歯槽骨(歯を支えている骨)を溶かします。歯槽骨が歯を支えきれなくなると、歯がグラついて抜け落ちてしまいます。
【原因2】咬み合わせ
物質が壊れる原因には二つあります。一つは、その物自体が腐敗したり変質することで、もう一つが力によって壊れることです。歯も同様に咬み合わせという力によって歯が割れたり、欠けたり、磨り減ったりします。特にムシ歯や歯周病の問題がある歯は、咬み合わせによって歯が割れやすかったり、歯が揺すられることによって歯周病が悪化します。
食べ物を食べたり、唾を飲みこんだり、力を入れて食いしばったり、あるいは歯ぎしりをすると、上下の歯がぶつかり合ったりこすれ合います。それが、何十年間も続くと表面のエナメル質が擦り減っていきます。
咬み合わせが悪くなると、上下の歯が咬み合った時の、力のバランスが悪くなり、特定の歯に無理な力が加わって歯周病が悪化したり、ムシ歯リスクが高くなったり、根を痛めてしまいます。ムシ歯や歯周病を予防するには、歯に無理な力が加わらない咬み合わせに調整する必要があります。