重度の歯周病になると、細菌によって骨が溶かされて、歯を支えきれなくなります。昔でしたら、抜歯しか治療法はありませんでしたが、最近では新しく骨を作る「再生療法」が行なわれるようになりました。再生療法には「エムドゲイン」と「GTR」があり、これにより歯を残せる可能性が飛躍的に高まりました。当院でも、エムドゲインやGTRによる、高度な再生療法を行っています。
【再生療法】エムドゲイン
ブタの歯の組織から抽出したゲル状の物質です。豚の子供の歯が生えてくる時に重要な働きをするタンパク質の一種で、歯周外科で骨を再生させたい患部の骨と歯の根にエムドゲインのゲルを塗布すると、失われた骨の再生を促す働きがありあります。スウェーデンで開発し、現在では世界44カ国で認可がおりています。
【再生療法】GTR
メンブレンと呼ばれる膜と自家骨を使った再生療法です。歯周外科の時に、再生したい部分に自家骨を埋め、その上からメンブレンを被せて骨を再生させます。
再生療法について当院の考えかた
当院の歯周病治療は、進行を食い止めて現状よりも悪くさせないことを目標にしています。それは、現在の歯周病治療では、進行を止めることはできても、失った歯槽骨を完全に再生させることは難しいためです。再生療法は骨を再生させる素晴らしい治療ですが、患者さんによって良好な治療結果が得られない場合もあります。また、手術に伴うリスクも少なからずあります。
歯周外科を行う場合は、精密に検査をして正確に診断し、メリット・デメリットを説明した上で、患者さんから同意を得られた場合にのみ対応しています。また、再生療法を行う場合は、術後の管理をしっかり行い、再生した歯をより長く使えるように努力いたします。再生療法を望まれる方は、このことをご理解いただいた上で、治療を受けていただきたいと考えております。