入れ歯にすると、その日からバリバリ噛めると思っている方が多いようですが、使いこなせるようになるには、ステップを踏みながらトレーニングや調整を重ねていく必要があります。これは、義手や義足を使っている方が、慣れるまでに時間がかかることを考えれば、ご理解いただけると思います。
入れ歯にトレーニングや調整が必要な理由
食べ物を食べたり喋ったりする時、唇、舌、ほほも動きます。そのため、装着した入れ歯まで動いてしまい、不安定になります。口の動かし方を慣らしていくと、入れ歯が安定して硬い物でもしっかり噛めるようになります。次第に強い力で噛めるようになると、今度は入れ歯が歯ぐきに食い込むようになり、唇や舌も大きく動くので、痛くなったり、すれたりします。そこで調整すると入れ歯は安定します。筋肉も鍛えられて、さらに強く噛めるようになりますが、次は歯ぐきに強く当たるようになってまた痛くなり、調整が必要になります。このように、一つの問題を解消すると、次の不具合がでてくるので、使いこなせるようになるまでには何回も調整が必要です。