しっかり咬み合っており、十分に管理できる場合は残した方が良いですが、咬み合わせには注意が必要です。親知らずの治療を大きく分けると、抜歯する場合と抜かずに管理するケースがあります。抜歯をする場合は、腫れや痛み、他の歯への影響などを根本的に解決することができます。一方、抜かずに管理する場合は、汚れがたまりやすくなるので、定期メインテナンスを受けながらしっかり管理していくことが必要です。
いずれを選択するかは、親知らずや口腔内全体の状態、患者さんのご意向を考慮した上で判断しますが、当院では基本的には抜歯をおすすめしています。抜歯時の腫れや痛みの心配もありますが、残しておくことで生じるデメリットも少なくありません。これからの長い人生を考えると、管理し続けていくことは大変です。急ぐ必要はありませんが、いつかは抜歯することをおすすめいたします。
親知らずを残しておくことのデメリット
●隣の歯をムシ歯にさせる
親知らずは隣の歯と密着しているので、ムシ歯になると隣の歯までムシ歯にさせてしまいます。
●腫れや痛みの原因になる
完全に生えてこない場合は、歯肉に炎症を起こして、腫れや痛みを引き起こします。さらに、その状態が長期間続くと、隣の歯を支えている骨まで溶かしてしまいます。
●歯並びを悪くする
親知らずが納まるスペースがないと、隣の歯を押して生えてくるので全体の歯並びを悪くしたり、隣の歯の根まで溶かしてしまうことがあります。
●咬み合わせを悪くする
咬み合う相手の歯がない場合、親知らずだけが伸びてきて、顎の運動を妨げたり、咬み合わせ全体に悪い影響を与えます。