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インプラント歯科治療
私が見てきたインプラントの歴史 その4
歯周病専門医 VS インプラント
歯周病専門医の中では、当初からインプラントに対して否定的な考えが主流でした。私が歯周病の研修施設で学んでいた著名な先生も、私が所属している大阪デンタルリサーチグループ(1962年創立)もインプラントは長期安定する治療方法ではないという見解でした。
確かに当時の歯周病の論理からするとインプラントは論理矛盾する点が多かったのです。その論点がインプラントと骨は結合したとしても、インプラントと粘膜(歯肉)が付着するという理論がありません。
歯と歯ぐきの境目の構造は、歯ぐきから歯の根に向かって繊維が伸び、その繊維と歯の根が結合しています。ところがインプラントの場合は、歯ぐきとインプラントは接しているだけで結合することはありません。
そのため、その隙間から細菌が進入して骨が感染する危険性が高いため、長期安定するのは難しいという考えでした。そのため、当時の歯周病専門医からは反対意見が多く聞かれていました。
また、整形外科からも 「 骨から粘膜を貫通している物質が感染しないはずはない 」 とも言われていました。しかし、チタンのブロネマルクタイプのインプラントが広まり、良い結果が得られるようになると、徐々に認められるようになりました。
しかも、医科でも応用されるようになり成功例が多くなってくると、インプラント治療は認められるようになり加速的に広まっていきました。そして長期安定している症例も出てくるようになると、インプラントを肯定的に捉える歯周病専門医が増えていき、インプラント独自の理論が確立していきました。
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