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インプラント歯科治療
私が見てきたインプラントの歴史 その5
より多くの症例に適応するために
開発時のブロネマルクのインプラントは、下顎の無歯顎(歯がまったく無い総義歯)の方への治療方法として考案されました。
特徴は、材質はチタン合金、数本の長いインプラントを深く骨に埋め込むこと、インプラントを埋めてから3~4ヶ月間はインプラントの周囲に骨ができるのを待つこと、インプラントの上部の歯は全て連結することが基本とされていました。
その後は、下顎臼歯へのインプラントが行なわれるようになりました。但し、長いインプラントを3本以上埋入することと共に、咬む力に耐えるために3本の上部(歯の部分)が面(3点を結んだ線の内部)になるような設計が考えられていました。
そして、下顎に比べて骨の密度が少ない上顎にまで適応症を広げ、フリースタンドといわれる1本だけでも大丈夫になり、短いインプラント、細いインプラントへと可能になりました。
その次には、骨が少ない部分にも骨の移植や再生が行なわれるようになり、時間と費用の問題さえ解決すれば、ほぼどのような状態でもインプラントが可能になりました。
その後は、より早く咬めるようにという要望にこたえるように、インプラントを埋め込んだその日に歯を入れて咬めるようになるところまで変わってきました。
確かに2005年以降のインプラント関連の機器や検査方法、術式は飛躍的に進歩してきたと感じていますが、体は変わっていないこととその歴史を理解しておくことは大切かと考えています。
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