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■飛田歯科図書館
飛田歯科図書館 vol.04 『 ハートマウンテン日系人強制収容所 』
医院の待合室に置かせていただいている本を紹介しております。
解説はあくまで私の偏見ですのでお許しください。
国家権力によって個人の自由が奪われた人々 その1
コダクロームフィルムで見るハートマウンテン日系人強制収容所
「コダクロームフィルム」は1935年に発売され、世界で初めて商業的に成功したカラーフィルムです。このタイトルに興味をひかれた理由は、私が卒業した頃の口の中の撮影には最も適しているリバーサルフィルムと教えられ一時期使用していた思い出があるからです。
余談はさておき、この本は真珠湾攻撃の半年後に、カリフォルニア在住の日系2世のビル・マンボさんがワイオミング州の日系人強制収容所に連行され、1942年から1944年の収容施設内の日常を撮影した写真集です。
彼は写真家ではなく写真愛好家であり、当時のマンボ一族のプライベートな写真を撮っただけで、その後は長らく忘れ去られていました。彼の息子がその写真をベーコン・サカタニに見せたことがきっかけとなって2012年に貴重な記録の写真集として出版されました。
写真集を見開くと、カラー写真の鮮明さに衝撃を受けます。写真の内容は暮らしが施設内の風景と共に、お祭り、盆踊り、相撲での娯楽や、スケート場、プールの施設でのマンボ一家と共に施設内の様子が写されています。
ただ、写真の端々に映し出されている風景からは、荒涼とした大地に囲まれた施設であることがわかります。その中でも有刺鉄線が張り巡らされている光景から、強制的に収容されている日系人の出来事であるということが理解できます。
そして、戦争の一面として、アメリカに居住していた当時の日本人の特殊な状況であることを垣間見ることができました。その点を除けは、戦時中の日本国内より豊に見えてしまいます。
医院サイトはこちらhttps://www.tobitadc.jp/