ブログ
■飛田歯科図書館
飛田歯科図書館 vol.09
医院の待合室に置かせていただいている本を紹介しております。
解説はあくまで私の偏見ですのでお許しください。
幕末・明治の工芸 世界を魅了した日本の技と美 村田理如
掲載されている作品は全て清水三年坂美術館所蔵の品々です。(https://www.sannenzaka-museum.co.jp/)
美術作品ではなく、使う道具をより美しく見せるために装飾された品々です。解説によると、幕末から明治の工芸品は海外で人気があり、その理由は文句なく美しく、品格と高度な技術に圧倒されるからだそうです。確かに、素人の私ですら、技術のすばらしさと繊細さに感激させられ、思わず「良い仕事してますね~」と声が出てしまいます。
陶器では絵付けの繊細さと芸術性には目を見張ります。それに加えて壷や皿とのバランスは、知識がない素人の私ですら圧倒されます。中には手の平に乗るくらいの大きさの小箱に数千匹の蝶が描かれていますが、拡大鏡を使わないと見えないほどの(老眼でなくても)細かい絵柄から、どれだけ手間隙かけられた作業であるかは想像を絶します。その他にも刀装具や金工といわれる金属加工は金属加工なのにその細かさと色の豊富さには驚かせられます。最後に早い時期から海外へ流失した蒔絵も他と同様に凄いです。
素人の私が感じた全てに共通していることは、その細かさと美しさですが、威厳と品格を感じてしまうのは想像を絶する時間がかけられ徹底的にこだわっていることを感じられるからだと思いました。
余談ですが、京都には30代に4年ほど住んだことがありますが、この美術館の存在はこの本を買って知りましたし残念ながらまだ訪れたことはありません。