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咬み合わせの歴史歯科治療
咬み合せの歴史 その8
少し専門的な解説です。
「咬み合せの歴史」を書くに際し、大阪歯科大学図書館が所蔵している咬合、顎関節、総義歯の書籍と関連する学会誌約350冊に加えて、「オクルージョンの臨床」第2版の訳者の川村貞行先生から頂いた1900年代初頭からのアメリカで発表された咬合に関する論文、初期のナソロジーの大家の舘野常司先生から当時のお話と資料を頂き、金属焼付けポーセレン開発者の桑田正博先生からも当時のお話と資料を頂きました。
これらの情報を年代別に分類分析し、咬合理論の経時的変化を踏まえてまとめています。
ナソロジー その②
1900年初頭からアメリカ西海岸で研究されたナソロジーは下顎の運動を分析しそれを再現するための精度の高い機器の開発を続けました。その中心になったのが機械類に精通していたStuartです。
1929年下顎運動を正確に記録するための装置としてセントラル・ベアリング・スクリューを用いたナソグラフ(写真左)を開発しました。その記録を精度が高く調節機能が付いているハノウキノスコープ(写真右)で再現しようとしましたが上手くいかなかったようです。
ナソスコープ
そこで、1934年 ナソグラフで記録した下顎運動を再現するための装置としてナソスコープ(咬合器)が開発されました。この写真は本物のナソスコープです。舘野先生がPKトーマスから譲り受けた物を撮影させていただきました。咬合器の上面にサインがあります。