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咬み合せの歴史  その25

少し専門的な解説です。
「咬み合せの歴史」を書くに際し、大阪歯科大学図書館が所蔵している咬合、顎関節、総義歯の書籍と関連する学会誌約350冊に加えて、「オクルージョンの臨床」第2版の訳者の川村貞行先生から頂いた1900年代初頭からのアメリカで発表された咬合に関する論文、初期のナソロジーの大家の舘野常司先生から当時のお話と資料を頂き、金属焼付けポーセレン開発者の桑田正博先生からも当時のお話と資料を頂きました。
これらの情報を年代別に分類分析し、咬合理論の経時的変化を踏まえてまとめています。
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「Occlusion Focus Meeting」開催
1976年2月シカゴで会合した10名の臨床家によって理想の咬合理論を求めて運営委員会を立ち上げられ、Las Vegasにて行われるアメリカ歯科医学会と同時に1976年11月13,14日の2日間にわたって「Occlusion Focus Meeting」を開催することを決定しました。
議論の方法は、咬合について権威がある9名の歯科医師が下記の3つの論点に対する考えを発表し、その内容を討論するという形式で、互いの不一致と共に一致する点を強調することを目的としました。
有歯学の理想の咬合を議論するための3つの論点として
1、最大咬頭勘合位における最適な顆頭位
2、咬頭勘合位の最適の特徴 
3、偏心位の特徴        の3点です。
議論を行なう歯科医の選定基準は特別な概念や思考の学派ならびに、全ての学問に関係し、各分野で卓越しており、咬合について権威がある9名が選出されました。当時の咬合理論の主流であったナソロジーグループからは開業医のCelenza 、Guichet、フャエリー・ディキンソン大学 補綴学Lucia 。PMS,DawsonグループからはPankey Institute所属の Bernett とDawson、ミシガン大学 歯周病学の Ramfjord のそれぞれ3名ずつが選出されています。その他はチューリッヒ大学 補綴学のSchȁarer、ボストン大学 病理学のGoldman、ペンシルバニア大学 歯周病学Weisgoldの3名で、合計9名の選出された歯科医を中心に討議されますが、この他にも15名の著名な歯科医師が運営と討論に加わっています。
Ramfjordは書籍の内容からSchuylerの咬合理論を参考にしていたと推測できます。おそらく1920~40年代にかけてSchuylerが発表した多くの論文を参考にしているのではないかと思います。また、Dawsonは歯科大学卒業後にRamfjordのところで学び、その後Pankey のPMセミナーを受講しました。このような観点からもRamfjordはPMS,Dawsonグループの咬合理論と共通点が多いので、同じグループとしています。
チューリッヒ大学 補綴学のSchȁarerは国内で出版されている書籍の内容からはナソロジーの考えに近いと思われます。