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咬み合せの歴史  その28

少し専門的な解説です。
「咬み合せの歴史」を書くに際し、大阪歯科大学図書館が所蔵している咬合、顎関節、総義歯の書籍と関連する学会誌約350冊に加えて、「オクルージョンの臨床」第2版の訳者の川村貞行先生から頂いた1900年代初頭からのアメリカで発表された咬合に関する論文、初期のナソロジーの大家の舘野常司先生から当時のお話と資料を頂き、金属焼付けポーセレン開発者の桑田正博先生からも当時のお話と資料を頂きました。
これらの情報を年代別に分類分析し、咬合理論の経時的変化を踏まえてまとめています。
「Occlusion Focus Meeting」において
Ⅰ「最大咬頭勘合位における最適な顆頭位」
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顆頭位がどの位置にあるときが中心位であるという点は全員が一致しました。
その位置を示したのが上記の図で、その解説として「顆頭がXの位置にあるときが中心位です。YやZの位置は生理的ではなくXらYは前方の限界運動であり,XからZは後方の限界運動でありこの2つの限界運動の範囲の中に中心位は存在する」という結論です。但し、中心位と最大咬頭嵌合位が一致するかは意見が分かれています。中心位の自由度に関しては、最大でも1/4mmといわれているように中心位におけるあまり大きい自由度は存在しないことを証明するのは困難であるとしています。
以上の結論から中心位は最上方位です。つまり咬合力が加わったときに変位はしませんが、上前方に咀嚼筋によって顆頭が牽引されることを踏まえておく必要があります。
このことは、1973年Dawsonが提唱した中心位は関節窩における最適の顆頭位置を最上位と一致しています。