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咬み合せの歴史  その36

少し専門的な解説です。
「咬み合せの歴史」を書くに際し、大阪歯科大学図書館が所蔵している咬合、顎関節、総義歯の書籍と関連する学会誌約350冊に加えて、「オクルージョンの臨床」第2版の訳者の川村貞行先生から頂いた1900年代初頭からのアメリカで発表された咬合に関する論文、初期のナソロジーの大家の舘野常司先生から当時のお話と資料を頂き、金属焼付けポーセレン開発者の桑田正博先生からも当時のお話と資料を頂きました。
これらの情報を年代別に分類分析し、咬合理論の経時的変化を踏まえてまとめています。
その後の中心位に関する見解
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中心位に対する見解はその後も同じではないかと考えています。
Occlusion Focus Meetingの演者でナソロジーのCelenzaは2年後の1978年
「顆頭が関節窩内の上方と上前方の2点で支えられた状態が顆頭にとって最も好ましい中心位であると考えられた。適正顆頭位と呼ばれている。」 (Optimum condyler position)
1987 GTP-5 アメリカ歯科補綴用語集
「左右の下顎頭が上前方部においても関節結節の傾斜部と対向し、かつ関節円盤の最も薄い駆血な部位と嵌合している上下の位置的関係。この位置は歯の接触に依存しない。また、臨床的には下顎が上前方に向け誘導され、かつトランスバース・ホリゾンタル・アキシス(下顎の回転軸)の回りに純粋な回転運動を行う範囲にとどまっているときの位置である」
2016年 GTP-9(アメリカ歯科補綴学用語集)
「歯の咬合接触とは無関係に決まる上下顎の位置で、その位置において下顎頭は関節結節に対して前上方位をとり、純粋な蝶番運動を営む。中心位は強制位ではなく、生理的な下顎位で、患者はそこから開口、前方、側方運動を自由に行うことができる。中心位は下顎模型を咬合器装着する際に使用される、臨床的に有用かつ再現性の高い基準位である」
1978年の「Occlusion Focus Meeting」の見解から40年以上経過します。最も権威があると思われるアメリカ歯科補綴用語集においての中心位に関する表現は様々ですが、Occlusion Focus Meetingの結論から中心位の見解は現在まで変わらない考えられます。