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咬み合せの歴史  その37

少し専門的な解説です。
「咬み合せの歴史」を書くに際し、大阪歯科大学図書館が所蔵している咬合、顎関節、総義歯の書籍と関連する学会誌約350冊に加えて、「オクルージョンの臨床」第2版の訳者の川村貞行先生から頂いた1900年代初頭からのアメリカで発表された咬合に関する論文、初期のナソロジーの大家の舘野常司先生から当時のお話と資料を頂き、金属焼付けポーセレン開発者の桑田正博先生からも当時のお話と資料を頂きました。
これらの情報を年代別に分類分析し、咬合理論の経時的変化を踏まえてまとめています。
中心位と最大咬頭嵌合位は一致させるべきか
このMeetingの議論の中で新たな議題として出てきた問題として、「咬頭嵌合位と中心位は治療においてのみ一致すべきか、この状態は本当に望ましいのか、単に適応できる状態であるのか、有害なものとなり得るのか。これらの疑問に答える決定的な科学的証拠がないことと、このMeetingで浮き彫りになった新たな議題となりました。そのため、Meetingの後に質問表の形で参加した9名に調査した結果がまとめられています。
スクリーンショット 2019-07-30 10.49.09.jpg
<結論>
上記の表が結論をまとめたものです。9名の内6名の(Bernett 、Dawson 、Goldman、 Lucia、 Schȁarer、 Weisgold)は中心位と最大咬頭嵌合位が一致するべきとの見解です。一致しないと答えた残りの3名のCelenzaは「許容範囲があると信じる」 、Guichetは「中心位に近いが、一致しない。その範囲は0~0.25mm」、Ramfjordは「最後方の位置からやや前方(0.1~0.2mm)」です。この3名が主張する一致しない範囲は最大で0.25mmです。これをどのように評価するかの意見は分かれるところです。
但し、中心位から0.25mm以内に最大咬頭嵌合位があると考えられます。つまり、臨床においては咬頭嵌合位と中心位を一致させた後に調整すれ良いので誤差の範囲だとも考えられます。
また、PMS,Dawsonグループは1928年のSchuyler の論文以来、中心位と最大咬頭嵌合位と一致し自由域を設ける(long centric)としていますので、臨床においては許容範囲内だと考えられます。