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咬み合せの歴史  その49

少し専門的な解説です。
「咬み合せの歴史」を書くに際し、1911年に創立した大阪歯科大学の図書館が所蔵している咬合、顎関節、総義歯の書籍と関連する学会誌約350冊に加えて、「オクルージョンの臨床」第2版の訳者の川村貞行先生から頂いた1900年代初頭からのアメリカで発表された咬合に関する論文、初期のナソロジーの大家の舘野常司先生から当時のお話と資料を頂き、金属焼付けポーセレン開発者の桑田正博先生からも当時のお話と資料を頂きました。
これらの情報を年代別に分類分析し、咬合理論の経時的変化を踏まえてまとめています。
日本国内での咬合理論の歴史 ナソロジー ⑨
ナソロジー学会における中心位への誘導方法のその後
顎位1.jpg 顎位2.jpg
保母先生の書籍に中に1984年保母先生と岩田先生が誘導法を検証されています。その結果はバイラテラル法(ドウソン法)が三次元的にも誤差はほとんど無いという結果が掲載されています。比較としてオトガイ誘導法、スリーフィンガーの数値が掲載されていますが、その結果は明確です。オトガイ法は当時のナソロジーで多くの先生が行なわれていた方法だと思われますが、アンガイド法がどのような誘導法かはわかりませんでした。
このように、1980年代初頭のナソロジー学会で様々な先生がオトガイ誘導法よりダブルハンドテクニック、バイラテラル法(Dawsonの誘導方法)の方が優れていることが学会誌や様々な書籍で発表されています。
但し、ナソロジー学会の中でも中心位の定義に関してはそれぞれの先生の解釈や表現が異なります。その中にターミナルヒンジアキシスとの記載もあり、ナソロジー学会で統一された意見を見つけることはできませんでした。
中心位と最大咬頭嵌合位は一致させるという方向には向いていたと思われます。