ブログ
咬み合わせの歴史
咬み合せの歴史 その52
少し専門的な解説です。
「咬み合せの歴史」を書くに際し、1911年に創立した大阪歯科大学の図書館が所蔵している咬合、顎関節、総義歯の書籍と関連する学会誌約350冊に加えて、「オクルージョンの臨床」第2版の訳者の川村貞行先生から頂いた1900年代初頭からのアメリカで発表された咬合に関する論文、初期のナソロジーの大家の舘野常司先生から当時のお話と資料を頂き、金属焼付けポーセレン開発者の桑田正博先生からも当時のお話と資料を頂きました。
これらの情報を年代別に分類分析し、咬合理論の経時的変化を踏まえてまとめています。
日本国内での咬合理論の歴史 ナソロジー ⑫
ナソロジー学会における中心位への誘導方法のその後
2002年には保母先生に師事され、村岡先生と共に誘導法の検証された岩田建夫先生が出版されます。
岩田先生が中心位への誘導法はリーフゲージ、アンテリアジグが紹介されており、偏心位での臼歯離開咬合をアンテリアディスクルージョンと記載され軽く咬合時に前歯は10μ抜ける咬頭嵌合位が示されています。その後2008年には改訂版が出版されています。
中心位への誘導方法に関しては、日本国内での咬合理論の歴史 ナソロジー ⑪の保母先生の書籍の分析でも紹介しましたが、リーフゲージの使用では下顎前歯が斜面での接触になるため下顎は後方へ押されるため、顎位は後方になります。また、軽く咬合時に10μ抜ける咬頭嵌合位は上顎の舌側の斜面に下顎前歯の切端が咬合接触するため、リーフゲージと同様にナソロジーの咬合(PK.Thomas)の咬合接触では仕方ない点に関しては改めて解説します。