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咬み合せの歴史  その58

少し専門的な解説です。
「咬み合せの歴史」を書くに際し、1911年に創立した大阪歯科大学の図書館が所蔵している咬合、顎関節、総義歯の書籍と関連する学会誌約350冊に加えて、「オクルージョンの臨床」第2版の訳者の川村貞行先生から頂いた1900年代初頭からのアメリカで発表された咬合に関する論文、初期のナソロジーの大家の舘野常司先生から当時のお話と資料を頂き、金属焼付けポーセレン開発者の桑田正博先生からも当時のお話と資料を頂きました。
これらの情報を年代別に分類分析し、咬合理論の経時的変化を踏まえてまとめています。
日本国内での咬合理論の歴史 ナソロジー ⑱
ナソロジー学会のその後
6998.jpg 前歯.jpg 上2.jpg
2013年に出版された小出先生の書籍では、臼歯の咬合はPKトーマスの形態は維持しつつ従来の3点接触より多くの接触を加えた ABBCです。ところが前歯の接触はPMS.Dawsonグループの形態で自由域があります。そのため、前歯がロングセントリックで臼歯がポイントセントリックと論理的な整合性がありません。また、咬合接触点があまりに多いことも臨床では実現が難しい咬合接触を考えられています。そのためなのかこの書籍での臨床例はありません。また、現時点までこの理論の臨床例や改訂版などは出版されていません。
ここからは私の推測になりますが小出先生は2007年に出版されたDawsonのオクルージョンの臨床の3版を監修されており、PMS Dawsonとナソロジーの両論理の一部を取り入れたのではないかと推測できます。