審美歯科vol.6


新たな材料のジルコニア③
硬いジルコニアが使えるようになった理由は2つです。
ひとつは立体画像取り込み技術の進歩です。ジルコニアは金属のような鋳造(金属を溶かして液体にして型に流し込んで冷やして固める製法)ではなくジルコニアのブロックから削り出します。そのため、歯型を正確にコンピューターに取り込む必要があります。
次に取り込んだ画像を正確に削りだす必要があります。従来であればこの2点の精度が高くなかったために使うことができませんでした。もう一点大切なことがあります。それはこれらの機器の値段が個々の技工所で購入できて採算が取れる価格まで下がったことも大きな要因です。
また、以前は殆どが手作業の積み重ねだった技工士さんもコンピューターの画面とにらめっこする仕事が増えてきたのでこの点も大きな変革です。
インビザライン矯正と同じようにコンピューターと立体画像取り込み技術の向上が歯科界を大きく変えようとしています。
3月例会

週末は恒例の大阪デンタルリサーチグループの勉強会でした。
今回は京都で開業されている先生のインビザライン矯正の臨床報告で、クリンチェック(治療計画)のと追加アライナー、治療完了者の症例報告でした。
クリンチェックでの新しいアイデアは面白い発想でしたので、いい勉強になりました。
余談です。毎月例会を開催している梅田の阪急文化サロンは10月で閉鎖になります。その理由を聞くと会員数が減少したからということなのです。でも、4月例会の予約をしようとしたら、ほぼ満室で1室しか空きがありません、、、何で? 安くて便利だったのですが残念です。

入れ歯も捨てたものではない
インプラント治療が良く使われるようになってから、入れ歯は噛めない、違和感がある、残りの歯に負担がかかる、お手入れが大変など、インプラントと比較して悪いイメージで説明されることが多くなったようです。しかしながら、昔から最もスタンダードな治療方法として長年にわたって研究されてきたことからも、捨てたものではないのです。
ただし、入れ歯でも咬めるようになるためにはリハビリテーションという考え方が必要です。
つまり新しい義歯を作ったからといってすぐに咬めるようにはなりません。
咬むための筋肉、口の周りの筋肉、咬み方などを鍛えることが必要ですし、その筋肉や咬み方に適した義歯の形態に修正することが必要なのです。
医院の待合室に置かせていただいている本を紹介しております。
解説はあくまで私の偏見ですのでお許しください。
NATIONAL GEOGRAPHIC その3
「素顔の動物たち」

英文の題名が「the greatest wildlife photographs」だけあって、野生動物の動物と昆虫、魚の最もその種らしいし瞬間を集めた写真集だと思います。個々の動物が自然のままの表情や躍動感にあふれた瞬間がとらえられています。中にはほほえましい写真もありますが、どちらかといえば、動物の本質に迫る迫力のある写真が多いようです。解説は短い文章なのですが、その状況や動物の特徴がよくわかります。
動物の表情や行動を楽しみながら見れるのですが、中には衝撃的、刺激的な写真もありますので、その点はご了承ください。

歯が白く輝いた状態でありたい、笑顔が素敵でありたい、大きな口を開けて笑いたい、口元を気にせずおしゃべりしたい等、口元が美しくありたいという気持ちは誰もが持っている願望だと思います。それをかなえるのが審美歯科です。
そのためには、あなたが希望する審美治療はどのような治療方法を選択して、どの位の時間と費用を使えばよいか、このよう点を治療前に、歯科医師と具体的に話し合うことが大切です。この時、何年後はどのようになるかを考えることも大切です。

<音が苦手な方>
歯科治療のときに「キーン」という独特の音が嫌な方も多いようです。
この音は高速で歯を削る道具で硬い歯を少ない振動で、しかも歯髄組織(歯の神経)に悪い影響を及ぼさないように削るために超高速回転をしています。そのためにあのような音がでるのです。歯を削る器械としては最も優れた道具であることをご理解ください。しかし、どうしても苦手だという方には音の少ないモーターを用いることも可能な場合もあります。
<匂いが苦手な方>
歯科治療では器械や治療道具を消毒する薬品、歯の中を消毒する薬品、歯の痛みを和らげる薬品などを使います。匂を少なくするために、密閉容器の使用や取り出す薬品の量を減らせますが、無くすることは出来ません。少し我慢していただくしかありませんが、気になる匂いがある場合はお伝えください。
クリンチェックプロの進化 ①

インビザライン矯正は個々の歯をコンピューターに取り込み、シミュレーションすることで治療計画を検討します。そのための専用ソフトがクリンチェックなのです。
この専用ソフトは毎年のようにバージョンアップされます。毎回、機能アップされているのは良いことなのですが、使い方がわからなくなる位の大きな変化なので、その都度サービスセンターに電話しなければなりません。慣れたころにまたもやバージョンアップされるのできりがありません。それに加えて新たな機能が追加されるため、機能がありすぎることで選択肢が増えすぎるため、どれを選択すればよいのか難しくなります。
インビザライン指導医の先生が「あまりの進化の速さについていくのが精一杯」と言われていましたが、その通りです。
医院の待合室に置かせていただいている本を紹介しております。
解説はあくまで私の偏見ですのでお許しください。
NATIONAL GEOGRAPHIC その4

驚きの地球大紀行
ナショナルジオグラフィック傑作写真集という副題だけに、「驚く」写真が満載です。単なる風景写真とは違い、芸術的で絵画的な風景や自然現象、動植物に加え、世界各地の人とその文化の美しい映像集といった感じです。へ~!!と感心したり、これは何???と解説を読まないと理解できない写真も多く、視覚情報から空想の世界へと広がる楽しみ方もできます。ちょっとマニアックと感じる点も多い写真集です。一部の写真は横の説明文を読んでも???でした。

歯周病がより悪化する
歯周病は歯槽骨(歯を支える骨)を失う病気です。
歯を支える骨が少なくなった歯は咬む力に耐える能力も少なくなります。そのため、歯周病によって歯槽骨が失われた歯に強い咬む力が加わると、歯槽骨はその力に耐えられなくなり吸収します。この結果、歯周病がより進行してしまいます。
このように、歯周病によって咬む力に耐える能力が低くなっているので、咬みあわせによって歯周病をより悪化させてしまい、歯を失うことになるのです。そのため、歯周病の歯に対して咬み合せの管理と調整は歯を長持ちさせるためには必須なのです。

歯と歯ぐきの境が欠ける
歯の根が削れてきていますので「歯磨きの力を弱くしてください。」「横磨きは止めてください」と言われたことはありませんか?
なぜ、歯ブラシの毛先が当たりやすい歯の凸のところより凹の所が削れてしまうのでしょうか?
実はこれらの多くは歯磨きで削れたのではなく、咬み合わせが原因で欠けるのです。
歯は硬いエナメル質で覆われていますが、歯と歯ぐきの境目のエナメル質は薄いため、歯ぎしりや食いしばりなどの通常以上の力が歯に加わると、薄いエナメル質の部分が欠けてしまうことがあります。その結果、ムシ歯でエナメル質に穴が開いたのと同様の状態になるので歯がしみる原因になります。また、「咬みあわせで歯が悪くなる」その2で解説したように、外傷による歯髄の炎症によってもしみがおこります。
また、歯と歯ぐきの境目が欠けることが進行すると歯が折れることもあります。折れた部分が歯の根まで達していれば、その歯を保存することは難しくなり、咬み合わせで歯を失うことになるのです。