歯周病治療のすすめ方 vol.4
歯周外科 その3
骨再生
歯周病は歯槽骨(歯を支える骨)を失う病気です。そのため、失った骨を再生することが長年に渡って研究されてきました。確かに条件が整えば骨が再生することもあるのですが、高い確率で骨が再生できるまでには至ってないのが現実です。
現時点で歯周病の再生治療の確率が高いと考えられている条件は、
①骨の形態、歯の条件、術前の歯ぐきの状態などの条件が整っている場合
②術後の長期管理
③再生されなかったときには再度外科手術が必要
このようなことを踏まえて再生手術が行なわれることが大切ですので精密な検査の後にしっかりと相談されることが大切です。
歯周病とは その14
咬み合せの歴史 その1
少し専門的な解説です。
「咬み合せの歴史」を書くに際し、大阪歯科大学図書館が所蔵している咬合、顎関節、総義歯の書籍と関連する学会誌約350冊に加えて、「オクルージョンの臨床」第2版の訳者の川村貞行先生から頂いた1900年代初頭からのアメリカで発表された咬合に関する論文、初期のナソロジーの大家の舘野常司先生から当時のお話と資料を頂き、金属焼付けポーセレン開発者の桑田正博先生からも当時のお話と資料を頂きました。
これらの情報を年代別に分類分析し、咬合理論の経時的変化を踏まえてまとめています。
咬み合せの理論は難解
咬み合わせに関する書籍は多く出版されていますが、その理論は多種多様です。そのため、私が歯科医として歩み始めた頃から最も難解な点が多い理論だと感じてきました。それは私だけではなく多くの歯科医が感じてきたようで、何年も臨床経験がある歯科医師でさえ難しいと感じていると言われる先生は多いようです。また、顎の一部で起こる顎関節症は顎の痛みや口が開きにくい、顎関節部の音だけでなく、肩こり、頭痛、姿勢や全身のゆがみ、不定愁訴まで関係するという考えもあります。その原因や治療方法には様々な考え方があるようで、中には咬み合せに関係ないという意見もあります。
このように咬み合せに関する理論は全ての歯科医師が納得できる統一の考えが少ないのが現状です。
そこで、咬み合わせの歴史を紐解くことで、その理論を私なりに分析しました。
それでも智歯(親知らず)を残されますか その①
咬み合わせで歯が悪くなる その10
顎関節症とは その3
顎関節症の治療方法
検査によって顎関節に、どの程度の問題があるのかを診断し状態に応じて処置を行います。
具体的な方法としては、顎関節の円盤、筋肉、靭帯に無理な力が加わらないために、就寝時はバイトプレート(マウスピースのようなもの)を装着することと、日中はできるだけ上下の歯が咬み合わないように意識してもらいます。このことによって、痛んだ顎関節の組織が徐々に治癒して正常な形態に回復します。
顎の関節が治癒するとともに咬み合わせが変化するのでバイトプレートを調整していきます。そして、症状が改善され、顎の組織が安定し、咬み合せが安定する位置を理想的な咬みあわせとします。
治療期間
治るまでの期間は顎関節の組織の問題の程度と個々の治癒能力によってかなり差がありますが、初期の症状が改善されるのに1~3ヶ月程度必要です。その後、組織が安定して症状が改善されるのには3~6ヶ月は必要です。しかし、状態によっては1年以上かかる場合もあります。
飛田歯科図書館 vol.25
医院の待合室に置かせていただいている本を紹介しております。
解説はあくまで私の偏見ですのでお許しください。
ひたむきな日本人
「ひたむきな」という言葉を聞くことは殆どなくなりました。
表紙の裏側には「貧しくも一生懸命だった日々」と書かれていますが、1900年初頭の明治から、大正、昭和の1960年頃まで、日本人が働く、学ぶ、遊ぶ、子供と家族の写真集です。当時の漁業、塩田、林業、製糸工場、大工、八百屋などでの働く様子は、どの写真を見ても「ひたむき」に頑張っている様子が伺えます。その他にはお祭り、潮干狩り、プールなどでの遊んでいる様子などの写真も多数掲載されています。衣服や生活が豊かとはいえないのですが、笑顔が多くほほえましい写真ばかりです。
私も「ひたむき」に頑張らないとなあ、と考えるようになった写真集でした。
知覚過敏 その1
インビザラインとは? その26
インビザライン独自の補助器具
チューイーズ
インビザライン矯正で最も大切なことが、歯にアライナー(マウスピース)がピッタリはまっていることです。その時の補助器具としてチューイーズ(白いロール状の物)を使用します。上下のアライナーを装着した後にチューイーズをお口の中に入れて、ガムを咬むように奥歯、前歯とお口全体でアライナーが歯にピッタリ入るようにチューイーズ咬みます。
また、歯の圧下(歯の根の方向へ移動させる)を促進されるためにも使用するときがあります。このようにインビザライン矯正ならではの補助器具があります。
ここ半年ほどの報告でインビザライン矯正の方が従来の矯正治療より歯を圧下させる能力が高いと言われています。インビザラインならではの特徴が徐々に明確になってきました。