少し専門的な解説です。
「咬み合せの歴史」を書くに際し、大阪歯科大学図書館が所蔵している咬合、顎関節、総義歯の書籍と関連する学会誌約350冊に加えて、「オクルージョンの臨床」第2版の訳者の川村貞行先生から頂いた1900年代初頭からのアメリカで発表された咬合に関する論文、初期のナソロジーの大家の舘野常司先生から当時のお話と資料を頂き、金属焼付けポーセレン開発者の桑田正博先生からも当時のお話と資料を頂きました。
これらの情報を年代別に分類分析し、咬合理論の経時的変化を踏まえてまとめています。

ナソロジーの咬合理論 その③
1950年3次元的に下顎運動を記録するナソグラフを進化させて、6つの描記板に記録することによって3次元的に分析したパントグラフが開発されました。(写真左)1955年パントグラフの記録を再現するための全調節性の咬合器が開発されました。(写真右)
1800年代は総義歯(歯が無く入れ歯だけ)の咬合理論しかなく、安定して良く咬める総義歯はフルバランスという下顎を前後左右に動かした時に全ての歯が接触し続ける咬み合せが主流でした。その理論は1900年代中盤になっても理想の咬合理論だと考えられていたため、ナソロジーもその理論を引き継ぎ、有歯顎(歯がある)においてもフルバランスが理想と考えられていました。
ナソロジーは有歯学においてフルバランスを再現するために総義歯より高い精度が必要だと考えたため下顎の動きをより正確に記録し、咬合器に再現するための機器の研究開発が継続されました。

先週末は2日連続で勉強会ということで、土曜日は午前中診療して午後から東京銀座へと出かけました。
2月も参加した銀座クリアデンタルの山崎先生が開催されているインビザラインの勉強会です。
20名近くの先生が参加されてインビザライン矯正に関する症例検討会なのですが、お隣に座られた先生が年間70症例以上もされている方なので独自の見解を伺うことができ勉強になりました。また、反対隣の先生からは前回の私の発表を褒めていただいたのでちょっとうれしかったです。
銀座クリアデンタルはインビザラインに特化した歯科医院で山崎先生とインビザライン指導医の松岡先生が診療されており、国内でのインビザライン症例数は5本の指に入る医院なので学ぶことが多いので頑張って参加しています。次回は4月なので参加する予定です。

日曜日の午後は大阪淀屋橋での講習会でした。
さすがにこの年齢で長距離の移動と連続はきついですね。
知覚過敏の原因②

歯周病
歯周病で歯槽骨(歯を支える骨)が失われると歯根(歯の根)が露出します。歯根は、柔らかいセメント質という層が象牙質の周りを薄く覆っており、このセメント質が削れると、しみやすくなります。また、歯根に歯垢(プラ-ク)が付着すると細菌が出す刺激物質でしみやすくなります。
歯石が長期間付着していた場合も歯石を除去することで歯の根が露出してシミが起こる場合があります。特に歯周外科を行った場合は悪い歯ぐきと歯の根に付着した歯石を徹底的に除去し歯の根の表面を磨きます。そのため、術後は歯の根が露出するためしみやすくなります。
少し専門的な解説です。
「咬み合せの歴史」を書くに際し、大阪歯科大学図書館が所蔵している咬合、顎関節、総義歯の書籍と関連する学会誌約350冊に加えて、「オクルージョンの臨床」第2版の訳者の川村貞行先生から頂いた1900年代初頭からのアメリカで発表された咬合に関する論文、初期のナソロジーの大家の舘野常司先生から当時のお話と資料を頂き、金属焼付けポーセレン開発者の桑田正博先生からも当時のお話と資料を頂きました。
これらの情報を年代別に分類分析し、咬合理論の経時的変化を踏まえてまとめています。

ナソロジー その②
1900年初頭からアメリカ西海岸で研究されたナソロジーは下顎の運動を分析しそれを再現するための精度の高い機器の開発を続けました。その中心になったのが機械類に精通していたStuartです。
1929年下顎運動を正確に記録するための装置としてセントラル・ベアリング・スクリューを用いたナソグラフ(写真左)を開発しました。その記録を精度が高く調節機能が付いているハノウキノスコープ(写真右)で再現しようとしましたが上手くいかなかったようです。
ナソスコープ
そこで、1934年 ナソグラフで記録した下顎運動を再現するための装置としてナソスコープ(咬合器)が開発されました。この写真は本物のナソスコープです。舘野先生がPKトーマスから譲り受けた物を撮影させていただきました。咬合器の上面にサインがあります。
変更、変更、変更!!

インビザライン矯正の難しい点の一つが変更の多いことです。
例えば、昨年秋にはクリンチェック(矯正の治療計画を作成するコンピュータシステム)がバージョンアップされ、今年は新年早々から個々に与えられた患者さんの管理画面がリニューアルされました。それに伴って機能と表示場所の変更があるため慣れるまで時間がかかってしまいます。また、アライナー(マウスピース)の交換期間もここ1年半で3度も方針が変わりました。私がインビザライン矯正を研究し始めてから5年以上になりますが、変更は常でその情報を得ることと、その内容の是非を確認し臨床に取り入れる判断が常に伴います。
視点を変えれば、これだけ短期間に進化し続けていることで矯正治療の適応範囲と治療の質が向上し続けている矯正治療方法と考えれば今後が楽しみなのです。しかしながら変化に適応し続けることは大変なことが多いと感じています。

昨日は名古屋までアライン社が開催しているインビザラインの講習会へ参加して来ました。
アライン社の担当の営業マンから地域外の枠があるので参加しませんか?とのお誘いがあったのと、好きな講師だったので行ってきました。講師の増岡先生は名古屋と東京名古屋で開業されているインビザラインの指導医の一人です。増岡先生はインビザラインの初期の頃から積極的に取り入れられている矯正専門医なので、インビザラインの進化と良さを踏まえた講義はわかりやすのでいつも勉強になります。開業された時にはワイヤー矯正もされていたそうですが、現在ではよほどのことがない限りインビザラインだそうです。裏返せばインビザライン矯正が従来の矯正と同程度のなってきたと考えられます。
アライナーの交換時期、IPR、アタッチメント、治療計画に関してなど全般的に臨床に即した内容だったので勉強になりました。
せっかくの名古屋だったので講義の前に喫茶店のモーニング、お昼は「ひつまぶし」、お土産は「味噌見込みうどん」と「鬼まんじゅう」と「ういろう」でした。