知覚過敏の対処方法 その②

歯科医院での処置
①しみる歯の表面を覆うことで刺激を遮断する方法
・歯の表面をコ-ティング
歯の表面に、一層の膜を貼って刺激を伝えにくくします。これは長期間の耐久性はありませんが、丁寧に歯磨きしているうちに象牙細管の穴がふさがって、しみなくなることが期待できます。
・歯のくびれを詰める
歯のくびれが大きい場合は、歯の色と同じ材料で詰めて刺激を遮断する治療を行います。
②咬み合せの調整
しみる原因が咬み合せの場合は、咬み合わせを調整することでしみが改善します。ただし、咬み合わせが変わることで他の歯に影響がでる場合があるのと、削り過ぎることができないため症状が直ぐに改善することは難しい場合があります。
5月例会

先日は恒例の神戸での勉強会で、神戸市で開業している同級生がインビザラインに関する発表でした。
インビザライン矯正は従来のワイヤー矯正治療より優れている点が多いと感じています。しかしながら、新しい治療方法なのと進化があまりに早いので教科書がいまだにありませんし、常に模索し続けている治療方法だと思っています。また、一部の歯科医師しか認知されていないので、この勉強会のメンバーの中でも2人しか臨床に取り入れていません。
今回の発表は治療が完了した後に咬み合わせが変化したので、インビザラインで咬み合せの改善をおこなった症例でした。インビザライン矯正の特徴としては従来のワイヤー矯正のような歯に装置を取り付けないので、冠や詰め物をそのままで矯正治療が行える点です。また、ブリッジやインプラントがあってもその歯を動かさない矯正治療が可能なことも優れている点です。
まだまだインビザライン矯正の認知度は低いのですが、これかももっと可能性が広がる治療方法として注目しています。

治療前と比べて、治療後はどのようなことが変わりましたか。
・かみあわせをみていただいたので、食べ物が、食べやすくなった。
・フロスの習慣がつき口の中が気持ちよくなった。
飛田歯科医院で治療を受けて良かったことは何ですか
・分かりやすく、かつ詳しく検査や説明をして下さるので、納得して治療を受けれました。
・歯磨きの方法
その他に治療を受けられた感想がありますか
とっても心地よく、気持ちよく、通院させてもらいました。
(皆様の対応、BGMすべて)
5月例会

先週末は恒例の月例会に参加してきました。
今回は6月に開催される総会の詳細と来季お運営に関する会議が主な議題でしたが、雑談の中から臨床のイロイロなヒントが得られます。
昨年から例会場所を新大阪に変更しているのですが、例会の開催場所として適していると痛感しています。まず、ODRGのメンバーは名古屋、京都、大阪、神戸、岡山と広範囲からの参加になるため新大阪駅は誰もが行き安い駅なのです。しかも、徒歩3分に会議室があるのに会場費用が安価なのです。ただし、新大阪駅を利用していても東口は知らないと思いますし、改札から東出口までは距離はあるので初めての方は説明しておかないとわからない出口です。駅近の会場ということで、コンビにも飲食店も多いことに加えて新大阪構内にはたくさんのお店があるので選ぶのが楽しみですしお土産も買えます。ちなみに今回は新世界の串屋「だるま」でした。
余談です。飛行機オタクではないのですが伊丹空港へ到着便は新大阪駅の上を通過するので良く見上げてしまいます。
少し専門的な解説です。
「咬み合せの歴史」を書くに際し、大阪歯科大学図書館が所蔵している咬合、顎関節、総義歯の書籍と関連する学会誌約350冊に加えて、「オクルージョンの臨床」第2版の訳者の川村貞行先生から頂いた1900年代初頭からのアメリカで発表された咬合に関する論文、初期のナソロジーの大家の舘野常司先生から当時のお話と資料を頂き、金属焼付けポーセレン開発者の桑田正博先生からも当時のお話と資料を頂きました。
これらの情報を年代別に分類分析し、咬合理論の経時的変化を踏まえてまとめています。

PMS、Dawson その①
アメリカの交通機関の発展はライトフライヤーが1903年、フォード1型が1908年です。アメリカで西海岸と東海岸との距離は約5000Kmで移動方法は大陸横断鉄道しかなかった時代背景から当時のアメリカの西海岸のナソロジーとアメリカの東海岸PMS、Dawsonの容易な交流は難しかったと考えられ独自の研究が続けられたと推測できます。
1926年Mccollmを中心に「カリフォルニア・ナソロジカル・ソサエティ」が設立された同じ年に、
Clide H. Schuyler はニューヨーク・デンタルジャーナルに「咬合の機能と機能不良(不正咬合)についての基本原則と、咬合調和を修復するための基本的条件」という短い論文を発表されました。これがPMS、Dawsonの咬合理論の始まりだと考えられます。この論文は有歯顎の咬合理論でしたが、従来の総義歯の咬み合せの理論を基礎にしたナソロジーの理論とは違った観点から述べられています。
1928年に発表されたSchuyler の論文では、総義歯と同様に天然歯列においても中心位は生理的に重要であり、中心位と最大咬頭嵌合位と一致しないことは一つの不正咬合であると考えました。しかしながら、最大咬頭嵌合位において咬頭頂に接触する対合歯の小窩底に自由域を設け(long centricといわれる水平的自由域)ました。偏心位(下顎運動時)においては歯の長軸に沿はない側方力をできるだけ排除できるかどうかにかかっていると論理を構成しています。つまり、咬合調和のためには前歯誘導を基本に、臼歯の側方力を排除するという概念です。つまり、Schuylerは総義歯やナソロジーの臼歯の咬合接触を基本とした咬合理論とは大きく違っていました。
後にSchuylerの論文を基にPankeyが新たな咬合治療法を考案し、その方法をMannが整理統合して理論を確立しました。その理論をDawsonが科学的に立証して咬合理論として確立し現在も認めら続けています。このような経緯があるため「PMS、Dawson」と記載しています。

治療前と比べて、治療後はどのようなことが変わりましたか。
歯みがきをていねいにするようになった
飛田歯科医院で治療を受けて良かったことは何ですか
新聞?(先生の)を読んで、先生の治療に対する考え方、個人的な趣味や姿勢がわかって、安心して治療してもらう事ができた。
雰囲気も落ちついていて、気に入っています。(単純な事を言えばソファーの色も)
その他に治療を受けられた感想がありますか
待ち時間が短いのもたすかります。
親知らずを抜く時のBGMが、つい最近、レンタルしてウォークマンに入れた少し前(何年か)の曲がかかったのにはびっくりしました。
少し専門的な解説です。
「咬み合せの歴史」を書くに際し、大阪歯科大学図書館が所蔵している咬合、顎関節、総義歯の書籍と関連する学会誌約350冊に加えて、「オクルージョンの臨床」第2版の訳者の川村貞行先生から頂いた1900年代初頭からのアメリカで発表された咬合に関する論文、初期のナソロジーの大家の舘野常司先生から当時のお話と資料を頂き、金属焼付けポーセレン開発者の桑田正博先生からも当時のお話と資料を頂きました。
これらの情報を年代別に分類分析し、咬合理論の経時的変化を踏まえてまとめています。

ナソロジーの咬合理論 その⑦
ナソロジーの中心位、最大咬頭嵌合位の変遷
ナソロジーの原点は有歯学の治療に際して総義歯より精度が高く再現性の高い最大咬頭嵌合位(中心位)を再現しようとしたことです。その始まりとなったのが1920年頃Mccollmは変化しない回転軸を求めて、顆頭を関節部の最後壁に押し付けた状態で下顎を開閉させれば、顆頭は単純な回転運動になり、変化のない再現性の高い回転軸を計測できるこが可能になると考えたことです。これがターミナル・ヒンジアキシスの理論です。(上図左)
その後の約40年間はナソロジーの主流の理論でしたが、1962年にGrangerは顆頭の理想的な位置を求めて顆頭は関節窩内の後方と上方の2点に固定されると修正し(上図中央)、1973年にStuartは関節窩内で、顆頭を3次元的に制するために内側からのもう一つの接触点を加えることで、3つの支点によって安定した位置に固定させると考えられました。これがRUMといわれる rearmost, uppermost, midmostです。(上図右)
しかしながら、ターミナル・ヒンジアキシスへの下顎の誘導方法は確立されていましたが、1962年の後方と上方の2点、1973年のRUM は理論だけで明確な誘導方法は不明です。
4月例会

先週末は毎月新大阪で開催している恒例の勉強会に参加してきました。
このところ、インビザライン矯正に関していつも話題になります。知識も症例数も増えてきたので、症例ごとの特徴や上手くいった、苦労しているなど、それぞれの診断、治療方法や問題点が徐々に見えてきたと感じます。
思い返せば2012年春ごろに面白そうな治療方法があるということでリサーチを開始して6年になります。当初は一般的な矯正治療としては難しいと思っていましたが、あっという間にワイヤーを使う一般矯正に追いつき、追い越している面もあることを痛感させられました。
6月に年一回の総会が名古屋で開催する予定なのですが、私と京都の先生が現時点でのインビザライン矯正の治療を発表することになりました。まとめなくてはならないので忙しくなります。