7月例会
恒例の神戸での勉強会で、大阪市内で開業している同級生の発表でした。
この勉強会も20年以上続いているので長期症例の発表が多くなってきました。当初は、初診時の検査資料を持ち寄り診査診断から治療計画の議論をしていましたが、徐々に治療が完了した症例の発表になり、それぞれの得意分野や、独自に学んだことにまで広がっていきました。そして経営的な内容を踏まえあることも多くなり、現在の発表内容は多岐に渡っています。
今回は義歯での治療のケースと、同級生の外科専門医へ多数歯へのインプラントをお願いした症例の経過のケースです。当時のインプラントは顎の骨が少ない部分には腸骨からに移植してインプラントが行なわれていましたし、より長く太く多くのインプラントを埋めることが良いとされていました。現在とは少し違っていることから、インプラント治療の進化がこのようなことから再確認できる症例です。今だったらどうする?という議論で盛り上がった勉強会でした。
神戸臨床歯科研究会
治療後のアンケート
治療前と比べて、治療後はどのようなことが変わりましたか。
歯茎がはれて痛くなったりしなくなりました。
歯みがきをていねいにしようと心がけるようになりました。
飛田歯科医院で治療を受けて良かったことは何ですか
証明がていねいで、次回何をするのかよく分かりました。
歯石を除去してもらうのも痛くないのにきれいにとれていて良かったです。
その他に治療を受けられた感想がありますか
バイトプレートを作って頂いて、頭痛やかたこりが軽減しました。
CD配置が変わっていてまめだなぁと思いました。
咬み合せの歴史 その16
少し専門的な解説です。
「咬み合せの歴史」を書くに際し、大阪歯科大学図書館が所蔵している咬合、顎関節、総義歯の書籍と関連する学会誌約350冊に加えて、「オクルージョンの臨床」第2版の訳者の川村貞行先生から頂いた1900年代初頭からのアメリカで発表された咬合に関する論文、初期のナソロジーの大家の舘野常司先生から当時のお話と資料を頂き、金属焼付けポーセレン開発者の桑田正博先生からも当時のお話と資料を頂きました。
これらの情報を年代別に分類分析し、咬合理論の経時的変化を踏まえてまとめています。
PMS、Dawson その③
1900年初頭にGysiがゴシックアーチを開発してから歯科界では長年に渡って中心位(顎関節の適正な位置)、最大咬頭嵌合位(上下の歯が最も多く咬み合っている位置)はゴシックアーチの頂点で、一致させることが常識でした。
Schuylerの理論も同様に
・中心位は下顎の最後退安静位で、その位置から側方運動ができる
・ゴシックアーチトレーサー(ゴシックアーチの記録をとる装置)を使用できない有歯顎での中心位はHickok bite-checkの牽引器(上記左の写真)を使用し3pound(1360g)で牽引することでした。
しかしながらSchuylerの独自の見解として
有歯顎、無歯顎を問わず無害な平衡咬合関係の第一必要条件は、
「中心位と中心咬合位の調和であり、中心位から安静中心位までの水平の自由性がある」
と考えられました。
上記の右図はSchuyler が1960年頃にPM哲学(Pankey 、Mannが考案した理論のセミナー)の教授に就任し講義で使用されていた資料です、ゴシックアーチの頂点から少し前方に最大咬頭嵌合位が示されています。また、中心位から安静中心位までの水平の自由性をもたせています。
このことから、Schuylerの考える最大咬頭嵌合位はゴシックアーチやHickok bite-checkの牽引器で中心位の位置を確認した上で、最大咬頭嵌合位はその少し前方で中心位を含めた面(long centric)だと考えていたようです。
インビザラインとは? その28
またもや進化
7月からバージョンアップの知らせと共に矯正の治療計画をシュミレーションするクリンチェックが変更されました。初期はオンライン上で歯の動き方や最終位置を見ながら修正点を文章で指示することが基本でしたが、より高度な修正が可能な専用ソフトをダウンロードした上でデータを読み込む方法が加わりました。このことによってより多くの情報が得られると共に複雑な指示が可能になりました。ただし、データが重いのでソフトを立ち上げるまでの時間がかかりすぎるため、簡単な確認の時にはオンライン上で、複雑な修正を行いたい時には専用ソフトで修正していました。
そして今回はオンライン上のクリンチェックでの情報量がバージョンアップしたのでより確認し易くなりました。特に歯牙移動表といわれる個々の歯がどのように移動するのかを数値で分析し表は実に便利です。前方、後方、右側、左側へ何ミリ動かすことになるのか?その時何度傾斜させるのか?何度回転させるのか?など3次元で歯の移動状態を数値で把握することができます。その上、歯の根の移動まで数値で表されます。(歯の根は標準的な形態と長さですが)この表を見ながら分析できるのでより正確なシミュレーションを行うことが可能です。
このように、短期間でバージョンアップされるのは良いのですが、使いこなすの難しい点です。
治療後のアンケート
治療前と比べて、治療後はどのようなことが変わりましたか。
歯に対する意識を変えることができました。昔の知識と現代の治療の相違に大変驚き、永く歯を保てることに嬉しく思います。口元が良くなり笑っても気にならなくなりました。
飛田歯科医院で治療を受けて良かったことは何ですか
安心して一度も不安なく治療が受ける事が出来、とても良かったです。
スタッフの方の説明や対応にいつも緊張する事無く長い治療がいけられ感謝しています。
その他に治療を受けられた感想がありますか
思っていたより長期になりましたがこれから少しでも自分の歯で食事がしたいので頑張って来て良かったと思います。
治療中の先生のOKと言われることにつねに安心感が有りました。
入れ歯でも咬める その10
保険外の義歯 その2
保険外の義歯は長く使えます
義歯は毎日毎日使いますので、年齢と共に義歯の歯ぐきの部分は変化する場合がありますし、咬み合わせの部分も少しすり減ってきます。そのため、定期健診での義歯の状態の確認と調整は常に必要です。ただ、年数が経つと歯がすり減りすぎて足すことが難しいことや、歯ぐきの形が変わる、材質の劣化など、定期健診ごとの調整では難しい場合があります。このような場合、義歯をお預かりして問題がある部分を新しい材料に取り換えることが可能です。但し、1~3週間は義歯をお預かりして修理しますので、その間使える仮の義歯を作成することが必要になります。このように、よほどの変形がない限り保険外の義歯は修理を繰り返しながら、長く使えるので価値があります。
飛田歯科図書館 vol.31
医院の待合室に置かせていただいている本を紹介しております。
解説はあくまで私の偏見ですのでお許しください。
産業遺産の記録
観光地にもなっている軍艦島などの1900年前半に建設された近代建築といわれる建物、刑務所、工場、発電所、地下鉄などの廃墟となった建築物の写真集です。日本の高度成長を支えた産業とインフラの歴史を垣間見ると共に、時代は変化し続けていることを感じます。つまり、今は栄えている建物も50年後に廃墟となっているかもしれないということですよね。本の後半に日本最古の木造校舎として高梁市の吹屋小学校も紹介されています。
産業も町も人もその時代に応じて成立していることと常に変わり続けることを認識した上で、自分自身も変化し続けないといけないことを再認識させられました。