少し専門的な解説です。
「咬み合せの歴史」を書くに際し、大阪歯科大学図書館が所蔵している咬合、顎関節、総義歯の書籍と関連する学会誌約350冊に加えて、「オクルージョンの臨床」第2版の訳者の川村貞行先生から頂いた1900年代初頭からのアメリカで発表された咬合に関する論文、初期のナソロジーの大家の舘野常司先生から当時のお話と資料を頂き、金属焼付けポーセレン開発者の桑田正博先生からも当時のお話と資料を頂きました。
これらの情報を年代別に分類分析し、咬合理論の経時的変化を踏まえてまとめています。
Ⅱ「咬頭勘合位の最適の特徴」の結論 その①
上記の表は①最大咬頭勘合位における最適な顆頭位の特徴の議論をまとめた表です。
ここで重要なポイントは、最大咬頭勘合位と中心位咬合は一致し、咬合力は歯の長軸方向へ力が加わることも参加者全員の意見が一致しています。解説としても最大限可能な歯は中心位咬合(centric relative occlusion)で軽く同時に接触し、咬合力を強めても下顎の変位が全く無いことです。どのように一致したかは改めて解説しますが、この点に関して参加した権威がある全ての歯科医の意見が一致している点は重要なことです。ちなみにこの書籍に記載されている中心位と中心位咬合は違いますが、最大咬頭嵌合位と中心位咬合は同じだと解釈してよいかと思います。
7月例会
先週末は新大阪で恒例の月例会で、今回は私の発表で私が使用してきたインプラントガイドの歴史を発表しました。インプラントの歴史を振り返れば、北欧の研究者がチタンは骨の中で安定することを発表されてから、1980年代に確実で長持ちする治療として国内にも導入されはじめました。しかしながら現在よりかなり高価で高度な技術が必要だったのでなかなか普及しませんでした。1990年代になると同じ形式のインプラントが少しずつ広まり、2000年代になると術前のCT撮影も可能になり、多くのインプラントメーカーが研究開発するようになり徐々に広まりました。2010年代になるとCT機材も開発され術前の撮影が常識となり、以前のCTの画像では何とか見える程度の2次元の画像が、コンピューター上で埋め込む位置、角度、長さ、太さをシミュレーションできるようになりなりました。しかも、デジタル技術の進化によって、シミュレーション画像と歯の模型を融合することで、従来であれば長年の経験と高い技術を要する精度が高い手術が、容易に短時間で行なうことができます。このことは患者さんへの負担が減るだけではなく、より成功率の高い長く安定するインプラント治療が提供できるように進化したのです。
このように、この30年間のインプラントの技術革新によって、インプラントガイドも変わってきたことを発表しました。
医院の待合室に置かせていただいている本を紹介しております。
解説はあくまで私の偏見ですのでお許しください。
「死ぬまでにいきたい!世界の絶景」
「死ぬまでにいきたい!世界の絶景 日本編」
待合室の本は短時間で気軽に見ていただけるように選んでいます。その中でも「旅」と「綺麗な映像」は目を引きます。この2冊は題名にインターネット広告代理店に所属する著者;詩歩(shiho)のシリーズもののこの2冊です。おススメの季節、具体的な旅行プラン、国内は現地予算、海外は旅の予算が解説とFacebookへ投稿された感想と共に掲載されています。思わずウットリしてしまう美しい写真が掲載されていますので、こんな絶景はぜひ見たいと思えてしまいました。でも冷静に考えれば、写真のような美しい景色は天候などの条件が整わないと難しいので出会える確立が低いとは思いますが、本を見て良い気分になるのであれば十分かもしれませんが、そのうち行きたいと確かに思えた本です。
治療前と比べて、治療後はどのようなことが変わりましたか。
両奥でかめるようになり、かみ合わせを気にしなくなった。
飛田歯科医院で治療を受けて良かったことは何ですか
・説明が分かりやすく、理解して治療できた。
・今後のアフタープログラムがあり、安心できる。
その他に治療を受けられた感想あありますか
時間通りでいい。長期の治療でしたが、待つ事は一度もなかった。
少し専門的な解説です。
「咬み合せの歴史」を書くに際し、大阪歯科大学図書館が所蔵している咬合、顎関節、総義歯の書籍と関連する学会誌約350冊に加えて、「オクルージョンの臨床」第2版の訳者の川村貞行先生から頂いた1900年代初頭からのアメリカで発表された咬合に関する論文、初期のナソロジーの大家の舘野常司先生から当時のお話と資料を頂き、金属焼付けポーセレン開発者の桑田正博先生からも当時のお話と資料を頂きました。
これらの情報を年代別に分類分析し、咬合理論の経時的変化を踏まえてまとめています。
「Occlusion Focus Meeting」において
Ⅰ「最大咬頭勘合位における最適な顆頭位」

顆頭位がどの位置にあるときが中心位であるという点は全員が一致しました。
その位置を示したのが上記の図で、その解説として「顆頭がXの位置にあるときが中心位です。YやZの位置は生理的ではなくXらYは前方の限界運動であり,XからZは後方の限界運動でありこの2つの限界運動の範囲の中に中心位は存在する」という結論です。但し、中心位と最大咬頭嵌合位が一致するかは意見が分かれています。中心位の自由度に関しては、最大でも1/4mmといわれているように中心位におけるあまり大きい自由度は存在しないことを証明するのは困難であるとしています。
以上の結論から中心位は最上方位です。つまり咬合力が加わったときに変位はしませんが、上前方に咀嚼筋によって顆頭が牽引されることを踏まえておく必要があります。
このことは、1973年Dawsonが提唱した中心位は関節窩における最適の顆頭位置を最上位と一致しています。
7月例会
木曜日は恒例の神戸での勉強会でした。
今回の発表は大阪で開業している友人でしたが、皆からいろいろな点でかなり突っ込まれていました
ジルコニアを使った修復治療に関する内容でしたが、最近の歯の修復治療で良い材料として注目されているのが以前は人工ダイヤと言われていたジルコニアです。 以前は硬くて成型が難しく色の調整も難しかったために歯の材料としては使えませんでした。ところが、関連機器の発達によって精度が高く色の調整が可能なジルコニアを使った歯の修復が可能になりました。その特徴は硬さに加えて生態親和性が良く表面がきれいなことです。このことは歯ぐきに優しく、ムシ歯や歯周病の細菌が付きにくいので予防の分野でも注目を集めています。
来月は私の年1回の発表です。既に準備はできているのですが内容を確認しながら修正しています。楽しみでもあり何を突っ込まれるかドキドキの面もあります。